SNS、DSP、キュレーション、検索、専門サイト、etc ・・・乱立するWeb媒体に、混乱している事業主も少なくないと思われます。約20年Webマーケティングの業界に身を置いてきた弊社が、現状をどう捉えているのか?をご紹介します。
【目次】
1.『ネット利用率』は死語!?
2.「二軸の施策」と「一貫性」
3.まとめ
1.『ネット利用率』は死語!?
令和5年の総務省の調査結果によると、「インターネットを利用しない」という消費者は、
50代で4.6%、60代で13.2%、70代で34.5%、80代で66.8%となっています。(※下図参照)
※「令和5年度通信利用動向調査」(総務省)を加工して作成
企業のマーケティングにおいて、デジタル・Webが中心になっていくのは、異論が無いと思われます。
しかし、冒頭に記載のとおり、Web媒体の乱立とテクノロジーの進化により、
事業主は振り回されている印象も受けます。
正直な話・・・
極論は、社名・サイト名・商品名といった「固有名詞」の検索を増やす事、
指名購買される事を目指し、『広告投資はしない!』という状態を実現するのが望ましいですよね!?
理想論という意見もあると思いますが、一部の企業は実現できているのも事実です。
少し前のデータになりますが、消費者庁によると…
※「平成29年度消費者意識基本調査」(消費者庁)を加工して作成
「同じ店舗・事業者を利用する事が多い」と答える消費者が約65%存在しています。
某大手ECサイトでは、アフィリエイトの紹介料を「2% ⇒ 1% ⇒ 0.8%」と減らしても、売上は全く下がらなかったという事例もありますし
ZOZOさんが、「リスティング広告もアフィリエイト広告もやらない!」と宣言してから、久しいですが、周知のとおり消費者にとってのZOZOさんの「サイト・サービス・存在」の価値が業績を物語っていますよね。
「簡単に出来るわけない!!」と怒られそうですが。。。
実は、頭の片隅に置いておく事が、とても大切だと我々は考えています。
2.「二軸の施策」と「一貫性」
【二軸の施策】
一つ目は、欲求や課題・悩みが顕在化している顧客を対象に、メッセージやオファーを投げかけ一回で完結する「ダイレクトレスポンス」という軸です。
弊社が得意とするABテストやPDCAを繰り返す手法ですね。
USPやコピーやクリエイティブを考えて、消費者に投げかけるという企業発信のトップダウン型のマーケティングです。
これはこれで消滅する事なく、カタチを変えながら進化していくと考えています。
二つ目は、欲求や課題・悩みに自分では気づいていない「潜在的な顧客」の発掘と「つながり」を作るという軸です。
消費者が何を考えているのか?どのような行動をしているのか?を深く考え、市場や消費者に寄り添って「心」で「つながる」というボトムアップ型のマーケティングです。
デジタルユーザーは、無限の情報に制限なくアクセスする事ができます。
第三者の評価・背景・経緯・原因など、自ら判断するために必要な情報をいつでも入手できます。
「心」で「つながる」ことは、これまでも大切なテーマでしたが、
デジタルユーザーの比率が年々増加し、消費市場の中心になりつつある事を考えると、
ボトムアップ型のマーケティングは無視できない存在となっています。
【一貫性】
企業として、消費者と接触するポイントで「一貫性」が求められます。
前述の通り、消費者は無限の情報にコンタクトが可能です。
企業の実態に迫る事が可能です。
言う事がいつも違う人は信用されない人間社会と同じく、企業にも一貫性が求められます。
クリエイティブ、特典、メッセージ、ブランドを構成する要素の全てが対象になりますね。
3.まとめ
◆ 全世代・デジタルユーザー時代を見据えた企業経営が求められる。
世代によって価値観や情報との関係、つながり方などは異なるので、各世代の特性に配慮した関係づくりが重要。
◆ 「指名購買」してもらう事を思考の中心に置く。
そのためには、企業や事業そのものの存在価値・一貫性がとても大切。
◆ PDCAはとても大切。しかし、トップダウン型の施策だけでは頭打ちが来る。
市場・消費者を中心とした『ボトムアップ型』のマーケティングも同時に展開する。