実は、筆者は甲子園を目指していた高校球児でした。
間もなく『春の選抜 甲子園』の出場校が発表されるのですが、筆者が高校野球を思い出すのは、夏ではなくこの時期だったりします。
選抜補欠校(不祥事などで辞退校が出たら出場可)という、なんとも中途半端な苦い経験が理由だと思うのですが。。
本コラムでは、『スポーツ』の成果創出からみる『Web・デジタルマーケティング』というテーマで、本人もやや強引と感じながら綴ってみます。
【目次】
1.捨てる
2.いつもMECEを
1.捨てる
筆者が高校2年の秋。
【春の選抜】の予選となる秋季大会の千葉県決勝で先発させてもらった試合で、こんな事がありました。
初回、両チームとも三者連続三振という異様な盛り上がりから始まった決勝戦。
投手生命のピークが高校1年だった筆者は勘違いをします。「これはいける」と。
ところが、3回くらいから三塁コーチャー(三塁ベースの付近で腕をグルグル回す人)が、
大きな声を出して何やら打者に伝えています。
「狙え狙え」 「打て打て」 と球種に合わせて、打者に知らせていました。
これ、実はキャッチャーのサインが三塁コーチャーに見られていたんです。
「気合と根性」は一流。
「打者との駆け引き」は二流。
「球質」は三流。
球種を知られては、抑えるのは困難です。
気づいた時には、もう相手の勢いを止める事はできずに撃沈。。。
野球経験者ならご存知の通り、試合中『相手投手の癖を掴む』というのは日常的に行われています。
ボールを握る仕草、利き腕やグローブの動き、投球動作や牽制時に発生する無意識の動作(癖)など。
動作で発見が無ければ、次はメンタルや思考の癖を観察します。
捕手のサインへの反応(目つき・雰囲気)など。
投手で発見が無い場合は『捕手』です。
球種によって構えが変わらないか?カウントによって偏りがある球種は?といった思考の癖も観察します。
もちろん試合前は、相手チームの試合をビデオ確認し、投手攻略に必要な狙い球、捨てる球の方針、采配の癖などを共有します。
野球というスポーツにおいて、勝つために何を観察するか?という行為は日常茶飯事なのですが、当然、相手の癖や弱点の正解を得る事は簡単ではありません。
数球見てだめなら、瞬時に次のテーマ観察に切り替えるワケですが。
この習慣が身について何度も経験するうちに、発見率が上がります。
この発見率、裏を返すと『捨てる判断』です。
Web・デジタルマーケティングの現場においても、ポイントを押さえて判断する事。
つまり、「不要なテーマやインパクトの小さいテーマを捨てる」という事は、重要です。
2.いつもMECEを
取捨選択を効率よくサポートしてくれるのが『MECE(ミーシー)』です。
Web・デジタルマーケティングの現場では
1)一旦、忘れる・スルーする。
2)特定のテーマに絞って磨く。
3)属人的、非属人的の仕分けをする。
以上の3点が大切だと感じます。(自分もできていませんが…)
ところが現場では『混乱』が多発します。
その要因の一つが、目まぐるしく生まれる
『新しいテクノロジーやサービスの存在』と『打ち出されるメッセージ』
そして、『知らないという状態』(から派生する不安)と考えています。
サービスやツール提供側から発信される情報は、前提条件や目的(契約)があるので、
受信した情報と自社の状況が、そのまま合致する事は少ないのが一般的なはずです。
ところが、色々と検討しているうちに、新しいテクノロジーやサービス・ツールに、自社を合わせて考えてしまい、何が課題だったか?なぜ検討したのか?
思考プロセスにおいて、様々な要素が混在してしまい本末転倒な方向に進んでしまう事が少なくありません。
そんな時には『MECE』です。
ここで誤解が無いように伝えておきますと、
筆者もサービス提供側になる事が主なので、提供側の情報を否定しているのではなく
「課題」や「対策」を検討する際の方法論についての提案です。
先日、クライアントさんの新しいコミュニケーション開発MTGでも、このような事がありました。
案を持ち寄って固めるというMTGだったのですが、ブレストが進むうちに
「消費者への価値」
「コミュニケーション手法」
「懸念点のリカバリー策」
これらが、混ざった状態で進行してしまっている!と気づき、
MECEを意識して要素整理を行い、仕切り直しました。
JAXAのシステム案件に携わっていた方から「短期間で膨大な不具合の整理を行う際、MECEを意識して行った」と聞いた事があります。
情報が溢れる現場で物事を判断する際に、
いつもMECEを頭の片隅に入れておくと、混乱する機会が減ると思います。
いつもMECEを。
なにかのコピーみたいな感じがしますが、お勧めです。