デジタル広告全般でクリエイティブの重要性が高まっています。前回のコラムに引き続き、今回は、Meta広告(Facebook、Instagram)の「Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)」においてクリエイティブを多様化するために必要な観点を5つ紹介します。
【目次】
1.Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点①:クリエイティブ本数
2.Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点②:フォーマット
3.Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点③:アスペクト比
4.Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点④:ビジュアル
5.Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点⑤:投入頻度
6.【まとめ】Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点について
1.Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点①:クリエイティブ本数
「ターゲティング」や「配信面」が自動でテストされ、優秀なクリエイティブを優先的に配信してくれるのがASCの仕組みです。
そのため、リーチを最大化し(偏りや漏れを無くし)、成果を最大化するには「クリエイティブ本数を増やす事」が重要になります。
具体的には、「15本以上」が必要です。
【Meta社の公式情報①】
Meta社によると、本数が「15本未満」と「15本以上」の ASCを比較した結果、後者のCPAが平均12%改善したそうです。
<テスト概要>
・日本において「15本未満のクリエイティブを含んだASC」と「15本以上のクリエイティブを含んだASC」を比較したテストを15回実施
・期間: 2023年4月~2023年8月 ※各テストで最低2週間の検証日数を確保
・テストの信頼度(同じ条件で再度テストを行った場合に同じ結果を得られる確率):100%
【Meta社の公式情報②】
また、ウォーターサーバーを提供する某企業では、本数が「10本」と「50本」の ASCを比較した結果、後者のCV数が約40%向上、かつ、CPAを約30%改善する事に成功したとの事です。
<テスト概要>
・期間: 2023年4月下旬~2023年5月上旬 ※約2週間
・テストの信頼度:100%
2.Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点②:フォーマット
Meta社は、「フォーマットをなるべく網羅する事がリーチの最大化に繋がる」と指摘しています。
理由は、「利用者によって表示されやすいクリエイティブのフォーマットが異なる」「配信しているフォーマットが偏っていると、リーチする利用者にも偏りが生じる可能性がある」からです。(※下図参照)
※ネットショップ担当者フォーラム『MetaのAI活用+ECビジネス拡大に効果的なInstagramの「リール」活用ポイントを解説』におけるFacebook Japanの丸山祐子さまの発信&使用画像を元に加工して作成。
ユーザーの取りこぼしを無くすために、「複数のフォーマット」を展開する事が重要になります。
弊社の知見上、静止画・動画・カルーセル等、「2〜3種類」のフォーマット展開を推奨しています。
【Meta社の公式情報】
スキンケア商材を提供する某企業では、クリエイティブが「静止画のみ」と「静止画と動画」を活用したASCを比較した結果、後者のCV数が3倍となり、CPAを約70%改善、CVRを約2倍改善する事に成功したとの事です。
<テスト概要>
・期間: 2023年8月上旬~2023年8月下旬 ※約3週間
・テストの信頼度:93%
3.Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点③:アスペクト比
広告の掲載面(配置)に即したアスペクト比(縦横比)に設定する事が重要です。
※Metaクリエイティブセンター:Metaのベストプラクティスを確認してクリエイティブの成功につなげる(写真)
例えば、静止画の場合は以下のように「2種類」のクリエイティブを用意すると、CTR良化⇒CV数upを狙う事ができます。
<クリエイティブ1>
【アスペクト比】1:1
【配置】Facebook&Instagramの「フィード面表示」
<クリエイティブ2>
【アスペクト比】9:16
【配置】Facebook&Instagramの「ストーリーズ面表示」
また、動画の場合は「1:1」「4:5」「9:16」の「3種類」が必要になります。
詳細は、以下のサイトを確認しましょう。
※Metaビジネスヘルプセンター:Meta広告マネージャの各配置でサポートされるアスペクト比
4.Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点④:ビジュアル
Meta社によると、同じ商品を宣伝する場合でも「広告のビジュアルは同じに見えないようにする事」が重要との事です。(※下図参照)
※上級者向けアドバイス│広告クリエイティブを多様化してコンバージョンを最大化する
上図をご覧頂ければお分かりの通り、撮影シーン(場面設定)やフォーマットをガラリと変える必要があります。
以下のようなパターンは、MetaのAI上&ユーザーにとっては「酷似したビジュアル」という判定になるので、注意しましょう。
・商品カラーが異なるだけ
・背景色が異なるだけ
・モデル(人物)のポーズが異なるだけ
・同じテキスト情報を使いまわし
5.Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点⑤:投入頻度
最後にご紹介するのは「クリエイティブを投入する頻度」に関してです。
弊社の知見になりますが、「1~2週間に1回程度の頻度」で新たな広告素材を投入する事が重要です。
この基準は、Meta広告のAIにおける「情報収集期間」が関係しています。
※Metaビジネスヘルプセンター:情報収集期間について
Meta広告のAIの特性上、一定期間(情報収集期間)は数値が大きく変動します。
具体的には「7日~10日程度」とされています。(※下図参照)
情報収集期間中にクリエイティブを投入・差し替えてしまうと、機械学習に影響を及ぼし、数値が悪化する可能性があります。
一方で、放置し過ぎるとユーザーに飽きられ、クリエイティブが疲弊(反応率が低下)するリスクもあります。
弊社の経験上、上記どちらも考慮した上で、目安となる頻度が「1〜2週間に1回程度の投入」になります。
<補足>
上記はあくまでも弊社知見による「目安」です。
Meta広告上でABテストを実施するなどして、明確に勝敗が付くケースでは、もっと短期間で差し替えても良いでしょう。
また、予算や配信ボリューム、Meta広告アカウント(ピクセル)の機械学習状況などによって最適な水準は変動します。
6.【まとめ】Meta広告「ASC」でクリエイティブを多様化する観点について
いかがでしたか?
今回は、Meta広告(Facebook、Instagram)の「Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)」においてクリエイティブを多様化するために必要な観点を5つ紹介しました。
1)本数 :15本以上
2)フォーマット:複数展開
3)アスペクト比:配置(掲載面)に適した設定
4)ビジュアル :異なる場面設定
5)投入頻度 :1~2週間に1回
前回のコラムで解説したように、同じ広告が4回表示されると、コンバージョン数が約45%低下することが分かっています。
今回ご紹介した5つの観点でクリエイティブを多様化する事で、広告疲れを防止し、ユーザーの関心を長期にわたって維持できます。
ASCのクリエイティブに関して体制や運用に問題がないか?
本コラムの情報を参考にして、運用者や代理店へ確認・指示してみましょう。
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